≠1 キライ

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昂平にとってあたしは、ただのおもちゃの儲けの道具。 小さい頃からずっとずっとそんな役。 中学までは我慢してた。 高校生になったら、こんな悪魔みたいな昂平と離れられるって思ってた。 だから、必死の必死で勉強して。 遊んでばっかの昂平が入れないような進学校を選んで。 たとえ幼なじみは変えられなくても、離れようと思っていた。 逃げ出せると思ってた。 …思っていたのに。 まさか、昂平も同じ高校を受験して…まさか… 受かってしまうなんて…。 ゴシゴシと力いっぱい拭った唇が、熱くて痛い。 きっと真っ赤に腫れているだろう。 溜まっていた涙が、ポツリと落ちる。 「……う…ッ…」 我慢していた涙が、さっきの涙を皮きりに ボロボロ、ボロボロと溢れだす。 あたしのファーストキス。 あんな悪魔に、あんな形で奪われるなんて…。
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