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いつまで経っても、あたしは昂平から逃げられない。
どうして昂平は
あたしに構うの?
そんなにキライなら、あたしのことキライだったら
無視して居ないものとして扱ってくれたらいいのに。
あたしはギュッと唇を噛みしめながら、震える拳で涙を拭った。
持ってきた鞄。
昂平に遊ばれてボロボロになった中学校の鞄。
明日で、中学を卒業するという日に…。
まさか、こんなことになるなんて…。
キライ…キライ…、大キライ…。
昂平の顔なんか見たくない…。
ギュッと涙を拭って、肩を震わせた。
こんな風に泣いたって昂平に知られたら、絶対また、からかわれるだけ。
家に帰るまでに、涙を乾かさないと。
目の赤みを消さないと。
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