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キライな奴はだれ？と聞かれれば、あたしはすぐさまこの名前を答える。
唐崎 昂平(からさき こうへい)。
目を見張るような綺麗な顔は、黙っていれば申し分ないほどに整っていてかっこいい。
あの漆黒の瞳は、時が経つのを忘れて見入ってしまいそうなくらい甘い誘惑を醸し出す。
この世界には、そんな奴に惑わされている人がかなり多い。
その意地悪な微笑みさえも、様になっててかっこいいと嘆きに似た溜息を零す人もいるし、まさにその意地悪な瞳を向けてほしいと思っている変人も多い。
でも。
あたしはそんなの耐えられない。
あたしと目が合ったその瞬間に、他の人へ向けるものとは全然違う、人を見下す嫌味な顔に変わるから。
綺麗な顔なんて、何も意味を持たない。
全然意味ない。
少なくとも、あたしの前では…！
だからあたしはあんな奴なんて…
大っキラ…
「あずみ」
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