≠1 キライ

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そこには、いつものように強大な怒りを引っさげている悪魔が君臨。 その強気な眉は不機嫌そうに持ちあがり、腕を組んで偉そうにあたしを見下ろしている。 視線を合わせないように努力はしていても、そんなの何にも役立たない。 怒っていても綺麗なその顔は、やっぱり興味をそそるから。 振り向いたことを後悔し、あたしはおずおずと今しがた向けていた机へと体を戻した。 すると、昂平は言う。 「…なんで先、帰った?」 吐き出すように。 いつも、いつもこの言葉。 一緒に帰るだなんて、今まで一度だって約束した覚えはない。 約束とは言えない。 命令でしかない。 あたしが先に帰るといつも言う。 でも、だからって…。 「き、昨日待ってたら昂平はこう言った!」 「「なんで待ってるの?」」 「…って?」 背中越しに重なった声色に、あたしはピクンと肩を揺らした。
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