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いつだってそう。
あたしをからかって虐め抜いて、それをいつもの仲良しメンバーで馬鹿にして面白そうに笑ってる。
嘲笑も失笑も冷笑も、馬鹿にした笑いは全て見てきた。
…いや、昂平のさっきの言葉は間違い。
本当は『なんで待ってるの?』って他の友達の前で馬鹿にした。というが正解だから。
あたしは、ギュッと唇を噛みしめる。
悔しいのは、分かっているのに待っていた自分。
いつだって昂平はやって来なかったのに、それでも命令を破れずにいた自分。
こんなことで泣かない。
涙なんか見せない。
昂平があたしをおもちゃにして、虐めて、馬鹿にするからってあたしは泣いたりしない。
そんなことして、ますます昂平の機嫌をよくしたくない。
ギュッと堪えた唇を小さく解き、あたしは背中に感じる悪魔のような男にそっと呟く。
「…どうして、いつもいつも…あたしに構うの?」
嫌みたっぷり、冷たい声を精一杯絞り出した。
何も感じない、って、どんなにイジメられたって気にしない、って、…強調するように。
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