≠1 キライ

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すると昂平はいつもこうする。 背中越しにでも分かるくらいの、辛辣な冷たい視線をあたしに向けてくる。 でも、あたしは屈しない。 ゴクンと鳴る喉は鞄を開ける音でごまかして、あたしは続ける。 「…別に意味なんてないんでしょ?あたしをイジメて、…楽しんでるだけ、だもんね?」 …なんて。 自分で言ってて、悲しくなる。 何が悲しくて、昂平と幼なじみ。 挨拶も要らずに出入りできる家同士。 親達の仲の良さ。 だけど昂平があたしをキライなそのわけは、ただ一つ。 それは、 “あたしが地味で冴えない女” だから。 昂平の外見は、誰もが認めるスーパーアイドル、だもんね。 そんな自分の周りに、あたしみたいな女がいることが許せないんだもんね? あたしは鞄の中をゴソゴソと漁りながら、早く出て行ってよと態度で示した。
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