≠1 キライ

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でもそんな“もしも”は有り得ない。 だってあたしと昂平はどう転んでも、幼なじみだから。 「…どいて」 圧倒される昂平の顔から、瞬時に視線を避ける。 昂平のあたしを見下ろすイライラした顔は、年中見ている。 …本当はそんな顔、見たくないんだよ。 感じたくない。 あたしに向ける顔は、なんでそんな顔ばっかりなのか知りたくもない。 あたしは何も感じていないというような顔をして、昂平を通り過ぎた。 …通り過ぎるはずだった。 「ひゃ…っ」 その時、突然世界が回った。 「キャ…ァッ」 グリンと腕を引かれて、あたしはベッドに尻もちをつく。 目の前にあたしを押さえつける、昂平を感じて。 昂平の綺麗な漆黒の瞳が、あたしを捕えている。
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