27人が本棚に入れています
本棚に追加
エリーは自分の部屋を出ると、ある男の所に向かった。
「スリーキングス」の一人ケンジロウの元へ。
エリーが彼の部屋に近づくと部屋の前にいた男たちがエリーに気付く。男たちはエリーに威嚇するような視線を向けるが、エリーは動じる様子もなく歩みを進めた。
『ここはあんたの縄張りじゃねーよ。消えな』
男の一人がエリーの肩を掴んだ瞬間、エリーはその腕をねじ上げた。
『雑魚がいきがるな。そこをどけ』
エリーは力を緩めずに男たちに凄む。叫びをあげる男を押さえたままのエリーを他の男たちが囲み殴りかかろうとした時だった。
『やめろ』
静かな声が響いた。静かだが威圧感のあるその声に、男たちは怯えたように顔を見合わせる。
『王子様のお出ましか。そんなに睨むなよ』
エリーが言うとその男が口を開いた。
『何の用だ?』
『ケンジロウに会いたい』
『なら、まずそいつを放せ』
男に言われエリーは悲鳴を上げる男の手を離した。男は立ち上るとエリーを睨みつける。
『これでいいだろ』
エリーが言うと男は他の者たちに目で合図を送る。男たちは頷いてその場から消えた。
最初のコメントを投稿しよう!