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『お前ほどの男が何故ケンジロウの下にいるんだ?俺の所へ来いよ』
エリーは男の肩に手を回す。が、その手をかわすように男は体を動かした。
『タカノリ、俺は本気だぞ』
『お前がその言葉を言いに来たのは俺じゃないはずだ』
エリーは口元を緩めると両手を上げておどけて見せた。
『お見通しか』
『オミに手を出したいなら勝手にやれ。俺たちを巻き込むな』
エリーはふっと笑うとタカノリに向けて挑発的な目を向けた。
『で、ケンジロウには会わせないつもりか?』
タカノリは気付いていた。エリーがすでに戦闘態勢に入っていることに…。
ここで騒ぎを起こしてもなんの得にもならない。タカノリは自身の体で塞いでいた扉を後ろ手で開け、一歩横に移動した。
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