なごり雪

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「・・・・・・先生、いつだったか実習が辛いって泣いたときもこうしてくれましたね」 看護は元々は手当て、手を当てるという姿なのですよって言っていましたよね、と続ける。 「あの時に、先生みたいな看護師になろうって思ったんです。・・・できませんでしたけど」 少し先を歩く私から、彼女へ。 「また、戻っていらっしゃい。どこへ行っても、どんな場所でも、あなたは看護師に変わりないですよ」 「・・・ありがとう、ございます。先生もお元気で」 まだ目の赤い彼女をそっと送り出す。 心が疲れたら休んで。 また動けるようになるのを待って。 冬眠していたとしても、時期が来れば動き出すのだから。
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