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「とりあえず腹ごしらえだな!」
『うむ、タランヌラ……楽しみだ』
「おっ、あそこの屋台で売ってる肉まん旨そう~! あれ食べよう」
『な、何!? ここの名物タランヌラを食べないつもりか貴様』
「あー……うん、なんか名前が不味そうだし。ほら、肉まんめっちゃ旨そうじゃん! 早速買おう……って、あれ?」
「そういえば、お金……持ってない。俺、金持ってないぞ神様」
『む……貴様、金も持っていないのか』
「お、おう……財布部屋に置いてきたわ……そもそも俺の世界のお金使えんの?」
『いや、つかえんだろうな』
「だよな。神様は……お金持ってないよな」
『ああ、私の本体は向こうだからな……持ってたとしても貸してやれん』
「向こうって何処だよ……つか、も、ももももしかして俺ってば今、知らない土地で一文無し……」
「やべえ……」
『金なんぞなくても構わんだろう』
「いや、構うわ! お金なかったら食べ物買えないから! 飢えるから! 槍も闇の魔法使いも綺麗なお姉様も見つけ出す前に飢えて死んじゃうから!」
『飢える前に見つけ出せばいい話だろ』
「いやいや無理、もう飢えてる……うう、美味しそう、肉まん……肉まん……どうしよこれから……ああ、腹減った……肉まん肉まん……」
『おい、涎が出ているぞ』
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