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起床の挨拶を短く済ませ、一旦画面を消して、トイレを出る用意をして、スマホをポケットに戻す。
手を洗ってトイレのドアを開けて一歩外に出る。すると、そこには拓海とは似ても似つかない一卵性の双子の片割れが居た。
彼と同じように感情のない顔でトイレの前に佇む片割れは、腕組みをして仁王立ちしている。
「あぁ………ごめん。玖海」
「……さっさとご飯食べて。片付け出来ない」
狭い廊下を擦れ違う時に交わされたこの会話は、既に2人の毎朝の挨拶と化している。
しかし互いにその言葉に何か返すわけでもなく、無言のまま、玖海はトイレ、拓海はリビングへと向かった。
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