第1章

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ドタバタと一階から響く大きな足音で、拓海はぼんやりと意識を覚醒させた。 強烈な眠気に負けて閉じてしまう瞼を何度も開ける行為を繰り返していると、部屋のドアがコンコン、とノックされる。 続いて聞こえる起床を促す聞き慣れた声に、短く小さい声で答え、怠くて動かない身体を起こしベッドから降りる。 霞む意識と視界のまま歩きだしたその直後、床に脱ぎっぱなしにしていたTシャツに足を滑らせ、前のめりに倒れ込んだ。 しっかりと意識が覚醒していなかったせいか、思い切り顔面を強打したにも関わらず、拓海は何の言葉を発することもなく起き上がった。 そして、先程惨劇に見舞われた顔面を気にすることもなく、再びシャツに足を取られながら部屋のドアを開けて部屋を出た。
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