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「オハヨウ、愛息よ。さっきの轟音はなんだい?」
「おはよ…………気にすんな父よ」
ガシガシと頭を掻きながら階段を例に漏れず騒音を立てながら降りてきた拓海に、父親がさほど興味なさそうに問いかけてきた。
それに淡白に答えながら、トイレから出てきた父親と入れ代わるように中へと入る。
朝の至福の時間に暫し浸っていた拓海だったが、何を思い出したのか、用を足しながら寝間着代わりのジャージのポケットに手を突っ込んだ。
目的の物を掴み引きずり出した拓海の手には、少し大きめのスマホがあった。
画面をつけて一番に確認するのは、某便利ツール“ラ○ン”の新着のお知らせ。
ゲームのお誘いや下らない悪戯紛いの友人からのラ○ンには既読無視を決め込み、拓海はある人とのトーク画面を開いた。
最後の会話は日付が変わる少し前、就寝の挨拶だった。律儀にスタンプでも挨拶している。
それに自然に漏れる笑みに気づき、慌てて無表情を意識する。他に同じ空間に誰がいるわけではないが、なんとなく。
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