全ての始まり

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全国で1、2を争う進学校である荒北坂学園。 今、そこの体育館で入学式が行われていた。 そして、壇上で話しているのはこの学園の生徒会長である。 「・・・・です。荒北坂学園の生徒達は何事にも積極的で、明るく充実出来る学園生活を送れると私、生徒会長である桜埜 聖月が保証します。では、良き青春を送ってください」 黒い髪を腰上まで伸ばした大和撫子のような風貌の美少女がその場で礼をし、壇上から降りた。 少しの静寂・・・ そして、次の瞬間には割れんばかりの拍手で体育館は溢れていた。 「あっ、ありがとうございました!次は新入生代表の挨拶に移ります」 放送部の人も少し魅とれていたみたいだ。 「新入生代表、橘 梨月」 「はい」 私は返事をしながら椅子から立ち上がった。 そう、私の名前は橘 梨月。 新入生の首席だ。 まさか、首席になるとは思わなかったが・・・ 私は壇上まで歩いていく。 横目でちらりと生徒会長を見ると私の後ろを向いて穏やかに笑っていた。 うん?よく見ると口元が動いている。 なになに・・・ へ・い・ぼ・ん・う・け・っ・て・や・っ・ぱ・り・い・い・わ まっまさか! もう一度生徒会長を見ると足の上に周りにバレないよう薄い本を置いているのがわかる。 あぁ、生徒会長は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 腐女子なんだ。 私の友達の腐女子と同じ事言ってるから分かる。 私も勧められて何冊か読んだしね ちなみに、私は全てのジャンル何でもいけます。 オールマイティ系女子なので。 一人で色々考えていると、あっという間に壇上前。 フッと息を吸って・・・ 「桜がひらひらと舞い落ちるこの季節、私達はここ荒北坂学園の門を潜りました・・・」 心の中ではあまりというか全然、花は好きじゃないんだけど・・・ [桜がひらひらと舞い落ちる頃・・・]という表現って、よく多用されると思う。 新入生代表挨拶の冒頭をどうしようか散々悩んだ挙句、この常套句にしたのだ。
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