Ⅳ†Ⅱ

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しかし、休戦になったが土地は荒れ果てていてそれぞれの国の国政が破綻してしまっていた。そこで両者は195ヶ国あったのを二ヶ国にすることにした。西には人間の国、東には吸血鬼の国。 そしてその話は60年前だそうだ。つまり僕は63年も眠り続けていたのだ。 その間にハンター協会の元トップのジョーが死んだ。 「……世界は変わってしまった。でも、雨音の目が覚めたから嬉しいよ」 ライさんが僕の髪に指を絡めながら言う。 「……ライさん、僕は眠りについている間に記憶を見たんだ……僕が初めて人を殺したのは牢から出るためのときだと思っていたけど本当は約120年前に帝を殺した…。帝が僕の初めて殺した人だった。」 体が無意識に震える。平気だと言ったけど目をつぶるとみんなの死に顔が見えてくる。そして目を開けると手には真っ赤な血がついていて…そんな幻覚を見るようになった。 「雨音…」 ライさんは僕を抱きしめた。記憶を戻してから流れなかった涙が溢れてきて僕はライさんに抱きしめられながら泣いた。
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