Ⅳ†Ⅱ

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殺される寸前に目が覚めて恐怖が目覚める。そして悲鳴を上げて死んでいくんだ。化け物じみても人を虜にするのは流石、神に愛された人と言われた白井家の生き残りだと思う。しかし、それはただの人間の兵士たちが言っていたことでハンターたちは〈悪魔〉と呼んでいる。美しい美貌で人間を惑わし殺すからだそうだ。 あの時、とどめを刺したのはハンターだ。 俺はそうは思わない。俺も一般の兵士たちと同様、天使だと思っている。俺は一緒に旅をしたからわかる。あの時の雨音様は操られていたような感じだった。 それが真か否かもうわからないけど俺はそう信じたい。 「轟、何ぼけっとしているんだ?」 「…刹那さん。………雨音様が生きていればなって……」 「雨音が生きていたらお前はどうしたいんだ?」 「………もう一度、旅をしたいです。」 あの時は雨音様もよく笑っていた。いつも寂しそうにしていたのに笑ってくれたから。その笑顔をもう一度近くで見たかった。
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