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「……そうか。会議が始める…遅刻するなよ」
「はい」
雨音様はもういない。
俺はあなたがいない世界で生きて行かなくてはいけない。あなたがくれた命を大切にしないと……。
窓に背を向け会議室に向かった。
******************
着替えの時自分の胸をみた。刺された傷は残っていた。吸血鬼だったら痕も残らないのに……。
「傷、気になる?」
「ライさん!」
ライさんの長い指が僕の傷跡をなぞる。そして僕の首に牙をたて血を吸い始めた。
「……じゅるっ…ん………」
「……ライ……さん………」
首からライさんの唇が離れたときには体の力が抜けてしまっていてライさんに支えられながらソファーまで行き横になった。
「大丈夫か?」
「そう思うなら飲む量を減らしてください」
「それは無理な話だな。雨音の血は麻薬のようだ。やめられない」
僕が目覚めてから恥ずかしいセリフを言うようになり心臓が壊れそうになる。
「じゃあ、僕にも血を分けてください」
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