Ⅳ†Ⅱ

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パーティーの次の日、帝から手紙が来た。その内容は僕の宮入の話だ。本来なら宮入は喜ぶべきこと、しかし白井家にとっては不幸なことだ。 「僕は行くよ…」 「こればっかりは仕方がないわね…」 「いや、ダメだ。白井家の決まりを守らないといけない」 父さんは話し始めた。それは代々当主に伝えられてきた話しだ。なぜ先々代がこういう決まりをつくったのか…。 「白井家は神に愛された人といわれ続け美貌に惚れた人たちは何人もいた。そして先々代の母親に惚れた何人もの貴族がいた。貴族たちは先々代の母親を手に入れたくてライバル同士殺しあいを始めた。そして生き残った貴族からの求婚を断った。そして母親は1人の男に惚れた。その人と結ばれ先々代が産まれた。そのことが生き残った貴族は許せなくて母親とその相手を殺した。そして生き残った先々代にも母親と同じことが起こりそうになり同じ悲劇が起きないように一族外で結婚することを禁じた。だから、帝も例外ではない」 父さんは時々言ってた。一族は滅びた方がいいって…。 「でも…帝の話を断ったら先々代の時と同じようになるわ…。私たちだけじゃない。一族のみんなが巻き込まれることになるわ」
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