Ⅳ†Ⅱ

5/22
前へ
/22ページ
次へ
「……仕方がない。私以外のものになるのは許せない!」 これが悲劇……。 「死ね…」 僕の目の前で父さんと母さんは殺された。兵士たちが持っていた剣が父さんと母さんの体を串刺しにした。 二人の血があちこちにつく。帝が僕に気がつき近づいてきた。手には剣を持っていた。殺される! 僕は逃げ出した。しかし、兵士たちに囲まれてしまった。 「鬼ごっこはおしまいだ。私と来るかここで死ぬか…どっちがいい?」 この際だから僕はもう殺されてもいい。 「宮入はお断りします」 「なら死ね」 剣が僕にめがけて振り落とされる。ここで僕は死ぬ…そう覚悟したときだ。蘭の顔が浮かんだ。 まだ死ねない。閉じていた目を開け剣の刃を素手でつかんだ。そして帝の腹に蹴りを入れ剣を取り上げ帝の心臓を刺した。周りの兵士たちが僕を捕らえようとするが次々に殺していった。僕の着物は赤に染まっていく。初めて人を殺した。僕の周りにはたくさんの血とたくさんの死体が転がっていた。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加