Ⅳ†Ⅱ

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誰かの足音が聞こえる。 「生きてるか?」 「……。」 声の主は郁さんだった。牢の鍵が開く音がした。そして中に郁さんが入ってきた。僕はただ横になったままでいると何かを吸っている音がして僕の頬に何かが落ちた。細くなった指で頬を触れるとヌルッとしたものに触れ視界にはいるところまで手を持って行くと血が付いていた。驚いた声を出す暇もなくいきなりキスをされた。 郁さんの口から何かが僕の口の中に流れ込んでくる。流れ込んできたものは鉄の味がして飲み味が悪かった。 郁さんの血を飲んだすぐあと…体が暑苦しくなってくる。 脈も速くなり息も荒くなる。そして眠りにつくように僕は目を閉じて祈った。 できることなら今までの記憶を消したいって…。 ー…僕が消してあげる。 ****************** ー…これが消した記憶だよ。 蘭は僕の恋人だったんだ…。赤城は自分が殺したと言ってたけど原因をつくったのは僕なんだ。
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