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総司の言葉に甘えて楽になりたい、
と願う自分…。
「…最低だな」
自嘲し疲れたように柱に凭れ力を失いその場に座り込んだ。
…いつから俺はこんなにも弱くなってしまったのだろうか?
隊士達の怨嗟の声も疎ましげな視線も沢山の血も悲鳴や断末魔の声でさえも平気だったはずなのに…。
平気だと思い込めていたはずなのに。
差し出された救いの手にすがってしまいたいと思ってしまった…。
「…これでは駄目だな」
新撰組を強固なものにするにはもっと心を鬼にしなければ。
そこに私情など挟んではならない。
…楽になりたい、
皆と楽しく過ごしたいなどと考えてはならないのだ。
俺は修羅の道を進んで行かなければならないのだ。
たとえこの身が地獄に堕ちようとも。
…たとえ心が痛みと苦しみに苛まれようとも。
それが近藤さんの、
みんなのためになるのだから…。
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