1章 修羅と成っても

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ある昼下がりの屯所内。 「ひっじかったさ~ん」 文机に難しい顔で向かっている土方さんの背中に僕は後ろからのしかかった。 …あ~あ、 また眉間に皺が寄ってる。 「…総司、 止めろ。 仕事の邪魔だ」 土方さんが苛々した声で文句を言ってきた。 「土方さ~ん、 遊びましょ~」 「総司、 人の話聞いてたか?」 「聞いてましたよ~。 だから遊びましょ」 「…あのな」 僕の言葉を聞いたら土方さんの眉間の皺が深くなった。 「あ、 ダメですよ~、 土方さん。 眉間に皺寄せちゃ。 皺取れなくなっちゃいますよ~」 冗談混じりに言ってうりうりと眉間の皺をぐりぐりする。
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