目の上のコブ

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――次の日。 昨日の深酒が残っているのか、だるい体に加え割れるような頭痛と闘いながら、始業時間ギリギリにオフィスへ入った。 第一課の席を通ると、 あれ…? 「明石…朝倉は?」 「風邪で休むってさっき電話がありました」 風邪? 「頭が痛いって言ってましたけど、また二日酔いだったして♪」 って冗談半分に言う明石の言葉が、リアルに聞こえて笑えない。 でも昨日も体調悪そうだったしな…。 結局正午まで社内で過すも、 なんだかやっぱり麻衣が気になって、 「部長、外、出ますんで」 「おぉ~お疲れ」 アポもないくせに、気がつけば藤が丘へと向かっていた。
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