目の上のコブ

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結局、就業時間まで麻衣の奴はぼーっとしてて、 心ここにあらず。 なんかあったんだろうか いや、俺が考えたところで答えがわかるわけじゃないけど・・・ 夜飯にでも誘ってみるか… また生意気に断わってくるかもしれないが。 半数の社員が退社したころ、麻衣に声をかけようと席に向かうと 「課長…」 「ん…?」 小林が俺の足を引きとめるかのように声をかけてくる。 チラッと麻衣を見ると、奴はさっさと帰り支度を始めていた。 その行動を引き止めようにも引き止めることができず、麻衣と小林を交互に見ていると、 「お話があるんですけど…」 「えっ?あ、あぁ…」 麻衣は“お先に失礼します”そう言ってちょこちょこ頭を下げながらオフィスを出て行った。 あっ…帰りやがった …まぁ…いいや。 「どうした?」 社内を見回し数人まばらに残ってる社員を見た小林は 「ここじゃちょっと」 そう言って、指をさしながら会議室を促す。
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