目の上のコブ

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そんなものは9年前のあの日、とっくに捨ててきた。 いや…違うな。 捨てるしかなかった… と言った方が正しいのかもしれない。 「好きにすれば?」 それだけ言って部屋を出ようとした俺に 「でも課長もうまいですよね?」 そう言って俺の足をまだ止めてくる。 だけどその言葉に不快にも振り返ってしまった俺。 「何が言いたいんだ」 「俺、知ってるんですよ。企画部長の娘さんといい関係とか?これでまた出世コース間違いなし!さすがというほかないです」 顔から笑みが消え、憎しみのこもった瞳で俺をにらみつけてくる。
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