颯一郎、ブチキレる

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まず、後片付け中の台所に「監察兼取調方」…つまり、山崎さんの部下の吉村さんという隊士がやってきた。 吉村さんはやたら眼光が鋭く、無口だ。たまに言葉を発すると厳しい事しか言わない。なのにアクセントがコテコテの東北訛りだから、イマイチ緊張感があるのかないのかわからない…まあ間違ってもギャップ萌えなんかしないと思うけど。 「炊事方平隊士、佐久間啓之助の隊規違反の件について調書を作りてえ」 「た、隊規違反っ?調書っ?啓之助が?」 「左様。仮に佐久間の失踪が脱走であると判断された場合、隊の面子をかけて草の根分けても探し出し、事と次第によっては切腹を申しつける。もし万が一にも、倒幕派の間者であった場合は…」 「ちょ、ちょっと待ってください!」 切腹とか脱走とか間者とか(汗)。 かなり振り回されたり困らされたりはしてるけど、しょせんはガキだ。 いっぺんにそんな大それた単語おっかぶせたら流石に気の毒…脅してお灸を据えるだけなら効果あるかもしれないけど、吉村さん、どうやら本気モードだ。 「ええっと…、まさか間者、とかはないと思いますけど」
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