道化師の思惑

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「ティップオフ!!」 満員の会場内 大歓声が沸き起こる。 このチームのホームゲーム 会場内はほぼ味方 大好きなバスケット 今まで注ぎ込んできた体力、時間、経験すべてを出すように動きまくる。 ボールが弾み、叩きつける音 バスケットシューズが"キュキュッ"と擦れる音 リングに触れることなくゴールネットを揺らす音 そのすべての音は、昔から大好きなもの 「颯汰!行けぇ!!」 「おう!!」 ワイドオープンになった俺がシュートを放つ (…絶好調!落とす気がしない) 最高のコンディション 目を瞑ってても入りそう 今までのバスケット人生で、こんな日は数えるほどしかない レベルの違うアメリカで始まった第二の人生 今でも思えるよ。武来。 バスケットは俺の命だ。 バスケットが大好きだよ。 人生そのもの。 だから約束を守ってNBAまで来た。 お前も、俺の命だから。 「颯汰。調子いいな。」 「知ってた?俺、第一、第二ピリオド、一本も落としてない。」 「知ってる。…俺もだけど?」 「俺たち二人で54点だぜ。」 「気合い入りすぎじゃねぇの?」 「お前が入ってどうすんだよ。」 二人で笑い合ってハイタッチ 第三ピリオドへと向かう
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