道化師の思惑

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第三ピリオド序盤 柔らかい風が会場内を包んだ気がした (ハハッ!…やっぱり!) そしてチームに叫ぶ 「…やっべーー!来ちゃった!!」 「「「「マジかーーーー!!」」」」 試合中だというのに、俺の頭を叩きまくるチームメンバー。 ベンチはベンチで大騒ぎ。 試合を続けながらも、超満員の観客席からその姿を捜す。 「颯汰ぁあああ!!颯汰ぁあああ!!」 2階席の廊下での立ち見 この歓声の中、ただ一つの声を聞き分ける俺って超人的だ。 目を向ければ、そこには可愛い姿 「あーあー。また爆発するぞぉ?」 「当たり前。この試合はもらった!」 俺はアメリカに行く前、武来と離れる決意をした。 彼女自身、まだ覚悟を受け止められなかった。 その覚悟を待ってる間、約束を果たすために渡米し、選手として成功を収めると誓った。 俺が夢を叶える瞬間を見せたら、武来の覚悟と勇気は、必ず未来へと繋がることを理解させるため。 こうすることで、夢だって現実になる 諦めた未来は、切り開いていける 実証するために離れたんだ。 日本とアメリカ。 俺たちの距離は遠かった。 でも、心は常に近かった。 "颯汰が教えてくれたから頑張る" そのメールを見て、確信した。 武来は描く未来を常に実行しようと努力して頑張っていた。 これからだってそうだろう。 そして、受け止めたんだと。
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