3607人が本棚に入れています
本棚に追加
みんなの声援に笑顔で応え
口元に人差し指を立てて当てる
1時間以上も大歓声が続いた会場内が
シーン…と静寂に包まれた
スポットライトに当たりながら
ゆっくり歩を進める
真っ直ぐ向かった先は
武来の立っている場所
「…久し振り。」
「…えっと…?」
「こっち来て。」
武来の手を取り、コートまで降りた。
「…勇。"道化師の思惑"最大のビッグイベントだぞ。」
「…え?」
「俺は俺の夢を果たした。今度はお前の番。」
「…な…何?」
「俺はお前の未来になる。」
そして、チームメンバーが集まるコート中央に立ち止まり、片膝を床につけて中腰になる。
アメリカ式、愛の告白。
ポケットから指輪を取り出して、武来に差し出す
「俺と結婚してください。」
「……………」
「まさか、この場面で嫌とは言わせねぇよ?」
「…颯汰…」
「お前の未来を俺にください。」
「…颯汰ぁ…!!」
ポロポロ泣き出した武来は、勢いよく俺に抱き付いた。
瞬間
優勝を決めた瞬間以上の大声援が
俺たちを祝福してくれた。
最初のコメントを投稿しよう!