道化師の思惑

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ーーーーー ーーー ー あの日、武来は頑張った。 「…勇!!…目を開けろ!!!」 「颯汰!AED!」 「寄越せ!!」 ドクターがいるのに押し退けて、夢中でマッサージを続けた。 みんなが見てることも忘れて、夢中で蘇生した。 服をビリビリと破り捨て、露になった武来。 AEDを武来に繋ぎ 《ショックが必要です。離れてください》 無機質な音声は、一度聞き覚えがある言葉を繰り返した 「孝太郎!武来に触るな!」 「ああ!押すぞ!」 「やれ!」 バチッ! 《確認中ーー確認できません》 「クソ!…勇!勇!!」 「颯汰!もう一度!!」 電気ショックを与え、マッサージをし、息を入れる。 これだけしか出来ない でも、これで助かる だから武来は何度も俺に教えてくれた 汗と涙が頬を伝い、反応しない武来をこれでもかと揺らし続ける
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