*プロローグ*

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「……でも、あれだろ。ずっと一人は……寂しいだろ、多分」 青は小さな声で言った。 服田は前に向き直り、フェンスに凭れ掛かる。 「でも、家族がみんな死んじゃう寂しさよりは大分ましだよ」 「……どういう意味だ、それ」 「別に。そのままの意味だよ。それに僕は――友達作りが目当てでこの高校に入学した訳じゃない」 不意に振り返った服田は、青の目の前に立った。 フェンス越しに、彼らは見つめ合う。 (……邪魔だな、これ) フェンスが邪魔だと思ったことは、今までに一度もなかっただろう。だが青は、こんなもの排除して、もっと彼に近づきたいと――触れたいとさえ思っていた。 神妙な顔つきで、服田は言った。 「僕は姉さんの自殺の真相を究明する為に、この高校に入ったんだ。だから、友達なんて僕には必要ないんだよ」
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