第1章

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ごめんなさい あたしが わるいの クレアは起き上がって そう言いたかったけれど 寝起きのまどろみの中 力が入らなかった 無意識に 寝たふりを していたかったのかも しれない 「膝の上にあの子を上げたりして… まるで… 娼婦みたいな格好で… 気味が悪いわ」 「何を言っているんだ 落ち着きなさい」 「わかっているわ あなたは 私よりあの子を 愛してるのよ 私のことなんて 邪魔なだけなんでしょう」 あたしは きみがわるいの? 横になったままの 傾いた景色を ぼんやりと見ていた 泣きじゃくる母親 なだめる父親には 疲労が見えた
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