第1章

6/6
前へ
/6ページ
次へ
 レジの機械が開いた瞬間、ミツヤにぃは相手の銃を持っている方の腕をレジを打つときに籠を置いたりする場所に叩きつける。  相手はその痛みから銃を放す。 そしてそのまま、服も掴み、真っ黒覆面を背負い投げた。  ミツヤにぃはレジからお金を出そうとしているように見せかけただけだったと僕は気付いた。  背負い投げられた真っ黒覆面はレジの機械に、背中を思いっきり叩きつけ機械や機械を置いていた机ごと倒れる。 真っ黒覆面はそのまま動かなかった。  騒ぎからか店長だろうか?男が駆けつけて、真っ黒覆面と機械を見る。 「ミツヤ君、君はよくやった」 「ありがとうござ――」  男はミツヤの言葉を遮って続ける。 「やり過ぎだ、明日から来なくていい。クビだ」  その後、警察も駆けつけて、事情聴取が行われた――  家に帰ってきてからミツヤにぃは言った。 「結局モテなかったし、変なのも来たし、もう働かないわ」 これは当分は働かなそうだ。 「ミツヤてめぇ!!」 その日から、ミチヤにぃの怒鳴り声が再び家中に響くようになった。 僕達はいつもの日常に戻った。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加