第1章

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(悲しいシンデレラ) あの四角い古びた世界で君は君の生命を揺るがされて 鶏になってしまう? 魚になってしまう? 食べられてしまう? 「ガラスの靴が隠されたのかいシンデレ ラ?」 陰湿なそこはさぞベトベトで 君の陶器のような肌が一瞬にして汗ばむんだ ろう 未来のない今生きている自分は何者なのか 震えるだけで明日が来るんだろう? あの四角い愚かな世界で君は君の生命を揺る がされて 縄で逝ってしまう? 刃で逝ってしまう? 殺されてしまう? 「ガラスの靴が壊れたのかいシンデレラ?」 修羅なそこはさぞドロドロで 君の絹のような髪が一瞬にして溶けるんだろ う 未来のない今立たされている自分は何者なの か 怯えるだけで明日が来るんだろう? 仲間を啄むその鳥と魚と 仲間を殺めるその人間と ミンチになった豚と牛と 四角い箱で夢さえ無くして 朝は何も教えてくれない 残酷過ぎる太陽の下で また一人今日もシンデレラ シンデレラ あの四角い古びた世界で君は君の生命を揺る がされて アノシカクイフルビタセカイデキミハキミノ セイメイヲユルガサレテ
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