『君にラブレターを』

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「そんなように見えましたか…」 流石に、分かりやす過ぎる態度だったんですかね。 「テツヤは、案外顔や態度に出るからね」 「そう、ですか…」 …やっぱり。 これだけ、お見通しされているのだし言ってしまおうか…? 「あ、あの…赤司君」 少し勇気を出して、彼の問いに答える。 なんで、こんなに恥ずかしいんだろうか。 相談なんて今までにもあったことなんですけどね…。 じっとりと、残暑だけのせいではない汗が額から垂れるのがわかった。 「ラブレターって、書いたことありますか?」 「…ラブレター?」 彼は、さっきまでの僕のように分かりやすい、疑いに似た表情をしている。 普段、あまり感情を表に出さない彼にしては珍しい。 …それはそうか。 同性に、"ラブレターを書いたことがあるか?"なんて聞かれれば、疑うのは当たり前だ。 …しかも、その質問をしているのは男子ですし。 「国語の課題なんですけど…。今やっている単元のテーマにあわせて、自分なりの言葉でラブレターを書くことになったんですよ」 なるべく不自然ならないように、気を付けて説明する。 若干、早口になってしまったのはご愛嬌ってことで、見逃してくれるといいんですけど…。
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