第1章

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?最悪の出会いと運命の出会い? 「「みなさん見てくださいこの人だかり!一目王族を見ようと集まった人たちが・・・」」 テレビの音が遠くから聞こえる。どうやらテレビをつけっぱなしで寝てしまったらしい。いまだにはっきりとしない意識の中身支度を済ませる。 「いってきます」 自分の声が家の中をこだまする。いつもは妹の騒がしい声が聞こえるが今日は静かだ。どうやら出かけているらしい。 23XX年 この国、日本はたくさんの戦争を経て今の平和を創り上げた。殺人などの事件はなくなり事件があると必ず1週間以内に捕まり殺意のある計画的事件の首謀者は無期懲役、または死刑となっていた。 そのため冤罪率も0%に近かった。 その理由は生まれたときに脳内に埋め込まれるマイクロチップruler(ルーラ)通称‘MR‘ その名の通り人を支配するものだ。MRは母体から胎児が生まれた瞬間に埋め込まれその命が尽きるとMRも脳内から消去される。 監視省という場所で全国民のMRが管理され誰が生まれ誰が死んだかはもちろんMRに搭載される機械が脳の周波数を感知し通常時と違う波数を感知すると自動でその出来事を記録する。その記録はすべて監視省に送られる。 国民は支配されている。 MRに。監視省に。そして、MR開発者の王族に。 MR開発者、そしてその親族を王族としこの国は王制支配となった。 王を暗殺しようものなら自分も殺される。そして王に関しては王を殺害したものは当人とその親族までもが死刑という厳しい定めがある。そのため王はよく地方に出回る。俺に言わせればただの国民のご機嫌取りだ。 王制が始まって200年以上たった今では王は偉大な存在となり暗殺しようと考えるものはいなくなり王を崇めるものであふれかえっている。 ーーーワァァァァァァーーー 遠くで人の歓声が聞こえる。王が近くまで来ているんだろう。俺の名前は一宮 翔。神校二年のごくごく普通の高校生活を送っている。 「あっ!おにいちゃーん!!」 振り向くと見慣れた顔がそこにはあった。 「愛か。なんかようか?」 「ひっどーい!王様が来てるんだよ!お兄ちゃんも行こうよ!!」 こいつは俺の妹の一宮愛。いま中学3年の受験生。 「お兄ちゃん今日は王様来るから学校休みだよ?どこ行くの?愛も行っていい??」 「お前受験生だろ。家で勉強してろ。明日の分までな」
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