第1章

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そういう優しさがある翔君が大好きだ。 end ????? 「もうそろそろ帰るか」 「えっ?あ、うんそうだね」 杏が急いで準備を始める。もうそろそろ王族の交流も終わっただろう。 「けっこう暗くなってるね」 「送ってくよ」 いうと変な声をあげて杏は振り向く 「え、いいよ!迷惑だろうし翔君うち来ると真がまた勉強しないかもしれないし!また今度で」 そう言い放つと杏は後ろで一つにまとめて黒髪を揺らしながら全力疾走で帰って行った。その姿を見て頬が緩む。杏が見えなくなると俺は自分の家に向かった。 暗闇の中で歩いていると冷たい空気を頬に感じる。なんだろうと立ち止まると背筋に冷たいものが走る。 そして自分の足は勝手に森の中へと進んでいった。 森の先に光が見える。そこは公園のようだった。中央には大きな石碑がありその周りを花が囲み花の周りをどこから流れてきているのかわからない水がゆっくりと石碑を回っている。 普通に見ればどこにでもあるような公園に見えるだろう。だが、俺の目には普通の公園には見えなかった。 「・・・・・」 よく見ると石碑の前で膝を折り何かを祈っているような恰好をした男がいた。 見てはいけないものを見たような気がして来た道を戻ろうと思うと急に地面が大きく揺れる。 「地震?」 声に出すと本能が違うと告げる。 そして後ろから光線のように青緑の光が周囲に散った。 「な、何事だ!?」 祈っていた男が叫び声をあげる。俺もその男につられ男に近くに行き光のほうを向いた。 「な、何がおこっているんだ・・・」 この男。よく見れば・・・ 「あんた・・・」 そう言いかけた突如光の中から3人の人影が見えた。 「おまえらは誰だ!いったい誰にこんなことをしているのかわかっているのか!?」 男は激高していた。3人の人影から1人がこちらに向かって数歩前に出た。 「存じている。日本国の王にして支配者の‘E‘」 声を変えているような不思議な声だった。だが、しゃべり方は男だった。隣にいる男、王はそれを聞きますます怒り心頭している。 日本が王制になってから王は名前を使わずアルファベットを使う。なんでもそのアルファベットにも意味があるらしいが詳しくは王族しか知らないらしい。 「我らは‘E‘を探し‘E‘の前に姿を現した」 「どういう事だ・・・!?」 冷静さをなくせば死ぬ。瞬時に理解した。こいつらは普通ではない。
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