第1章

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振り向くと杏がいた。後ろには愛もいる。 「ま、また翔君を連れていくの?」 「一生帰れないわけじゃない」 「だったら私も連れてって!」 「それはまだできない。翔の返事次第ではまた一緒に暮らせる」 光はそれだけ言った。次に見たのは地下帝国の景色だった。 ?杏 Side? 行っちゃった・・・ 「あ、杏ちゃん?さ、さっき消えたよね?お兄ちゃんもあの人も」 「言ったでしょ。なんか超能力みたいなのがあるって」 「あ、あれ本当なんだ・・・」 私は黙って家に戻る。 あの人は‘まだ‘できないと言った。いつかは私も行けるのかな・・・ いや。翔君の返事次第で一緒に暮らせるとも言った。 翔君だったら・・・ end ?????????? 大広間につくと龍以外揃っていた。 「呼んできました」 光は相変わらず席には着かずマスターの隣に立っている。 「久しぶりだね翔君!!元気してたぁ??」 「まぁまぁ。メイは相変わらずだね」 あきれたように言うとメイは少し頬を膨らませた。俺が席に座ると口を閉じていたマスターが口を開く。 「翔に聞くが。これからどうしたい?」 唐突に聞かれる。気持ちは1つに決まっていた。 「俺はここにいたいです!」 俺の答えを聞くとみんなが驚いたような顔になる。そしてメイだけは当然とでもいうように笑顔になった。 「それは住みたいだけか?それとも」 「ここで戦いたいです」 マスターがうつむく。俺には無理だと思っているのかもしれない。けど・・・!! 「最初から俺が弱いせいで愛がさらわれて俺が弱いから龍だってあんなケガを負った。俺があの場にいて龍を攻撃から守るくらいはできると思ってました。でも、役に立たなくて俺に気を取られた龍が攻撃された時もあった。すでに大けが負ってる状態でも俺を助けてくれた」 「俺はその恩を返さないままのうのうと暮らすほどできた人間じゃないからね」 「やっぱり気にしてたんだ」 懐かしい声に振り向く。みんなが振り向いた。そこには龍がいた。和に肩を貸してもらってはいる。顔は少し引きつってはいるが前のような笑顔。服から見える肌は白い包帯で包まれ顔も片目を包帯でふさいでいるものの正真正銘龍だった。 「龍・・・」 「龍さん!」 「少年君のことだから気にしてると思ってたよ。でも、少年君が来てくれたおかげで裕也にスキができた時もあったんだよ?」
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