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「マスター。申し訳ありません。こんなケガ・・・すぐに直しますので「いい」」
僕の言葉をマスターはさえぎった。みんなの間に緊張が走るのが背中で感じ取れた。するとマスターは僕のほうに体を向け言った。
「お前は最近働きづめだ。その傷も時間をかけてゆっくりと治せばいい。傷が完治するまでは完全休養しろ」
倒れそうだった。もうお前は必要ないとか言われるんじゃないかって怖かった。でも、そんなの杞憂に終わった。マスターはそんな人じゃないってわかってるのに。
マスターは部屋のドアへと歩くが途中で足を止める。
「約束に縛られなくてももういいんじゃないか?」
マスターはつぶやく。心臓がはねた。そんなの無理だ。あの約束まで破ってしまったら・・・僕はただの、ただの人殺しじゃないか!!
「マスター・・・」
僕は立ち上がりマスターを追いかけようとした。だが急に力が抜けたように倒れこんだ。
「龍!」
みんなの声がする。近くにいるのは和かな。おかしいな。無理やり体を動かしてるのに。なんで指一本も動かないんだろう。
休めって言ってくれてるのかな・・・
もう、マスターが変なこと言うからそんなこと考えちゃうんだ。そんな自分に都合のいいことあるわけないのに。
「誰か龍さんを救護室に運ぶの手伝ってください!」
「私が連れていく」
この声、光かな。またあの部屋に行くのか。あの部屋のにおい。薬みたいな匂いで嫌なんだよ。それよりも
あいつとの思いでがよみがえって・・・・・つらいんだ
end
??????????
しばらくすると光と和が大広間に戻ってきた。
「龍さん大丈夫なの?」
メイが心配そうに和に聞く。
「たぶん傷の痛みで気絶したんだと思います」
「そんなに龍の傷ひどかったのか・・・」
みんなの顔が曇る。
パンパンッ!!
その音に驚きみんなが音のするほうを見る。音の原因はメイだった。メイが自分の頬を叩いたらしく頬は赤くなっている。
「あ?!!そんな辛気臭い顔するのやめよ!龍さんは大丈夫だよ。今私たちにできるのは龍さんを信じて待つことだけだよ。だったら私たちはいつもどおりの任務を遂行しようよ!」
「龍さんはあんなおおきなケガを負ってるのに笑顔だったんだよ!!」
それを聞きはっとする。俺たちがこんなんじゃだめだ。
「そうだな。俺たちもいつもどうり任務をするか。翔はどうするんだ?」
「どうするって・・・俺は・・・」
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