第1章

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俺を見下ろして言う。少し体が痛いけど龍の攻撃に比べたら大したことはない!俺は立ち上がりバリアを張りながら攻めた。 「お前覚醒してないのか?」 修行の休憩中に要が問う。 「さぁ・・・でも龍は覚醒にはほど遠いって言ってましたよ」 「その力で覚醒してないのか・・・まぁ龍が言うんだったらそうなんだろうな」 「前から思ってたんですけど。要さんも岬さんも龍のこと年上みたいに言いますよね。光だって年上の人呼び捨てだったのに龍だけさん付けだし」 俺が聞くと要さんは俺を見た。 「当たり前。龍は誰よりもここに早く来て誰よりも強い。そもそもマスターの次にここで偉い人だ。俺たちはみんな龍に憧れてる」 龍ってそんな偉い人だったんだ・・・ 「戦い方とかもう能力を使いこなしてるって感じなのにまだ覚醒じゃないんだな」 「覚醒したらなんか変わるんですか?」 「断然力の威力が違う。けど、覚醒っていうのは能力の限界を言う。覚醒したら新しい能力はもう身につかない」 新しい能力か。俺は第1能力者なんだろうな・・・ 「まぁ俺が修行相手の時点で翔は覚醒しないな。したとしてもどれだけの月日がかかるか」 「なんで覚醒しないんですか?」 「俺は龍みたいに覚醒させるは上手くないからな」 「龍って覚醒させるの上手いんですか?」 「上手いよ。隊の隊長はみんな龍に覚醒してもらってるからな。俺が相手の時点で身体能力とか基礎性能があがるだけだから」 「それでも、強くなれるなら!」 立ち上がり言う。今は強くなりたい。 「じゃあ、やるか」 大きく頷いた。 ーーードォォォォォンーーー 要さんの能力で竹林が大きな音を立てる。それでも竹林は倒れるどころか傷一つついていないところを見ると龍の言っていたのは本当らしい。これを龍は壊したんだよな・・・ 「考え事してると一瞬でやられるぞ」 近くで声がした。要さんの攻撃は俺のバリアによって弾かれる。そのスキを見逃さず俺は要さんに蹴りを入れるが入らない。蹴りを止められた瞬間に後ろに飛ぶ。 「体術がまだまだだ」 「そんなこと言ったって初めてやりますし・・・」 「能力を使った戦い方はいい。覚醒はまだ無理だろう。当分戦うこともないだろうからそれは大丈夫だ。だったら基礎性能を上げる」 「基礎性能?」 「まずは体術からだな」
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