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「アンナっていうんだ。7,8歳だったかな。あの子は能力者じゃなくてね。親がこっちにいるから連れてきた子なんだ。僕に懐いちゃってね」
龍は困ったように笑った。
「っていうか誰もいないね?。まぁこの場所だけ教えたかっただけだからいいか。この後どうする?まだ8時だけど。明日のために早く寝るかそれとも・・・」
「相手、お願いします!」
俺がそういうと龍はおもしろそうに笑った。
ふと目覚めた。まだ5時だ。もう少し寝たいところだけど意識もはっきりして寝れそうにない。
{そうそう。明日はこれ着てね}
龍にそういって渡された服を見る。光やマスターがずっと着ていた黒のマント。なんでも俺たちのMRが壊されているのに生きていることを王族に見つかったらめんどくさいことになるって言ってたけど・・・
「実際見つかったらめんどくさいどころじゃないよな。龍達はもうばれてるかもって言ってたけど・・・少し外の空気でも吸ってくるかな」
外に出ると何も景色は変わっていなかった。
「朝だろうが夜だろうが何も変わらないと感覚狂うな・・・。太陽と月って大事なんだな」
暗闇の街を街灯は照らし続けている。
「あれ?」
ベランダから上を見ると屋根の上に見慣れた顔があった。龍だ。いつもの笑顔ではなく寂しそうな悲しそうな表情をしている。あの表情は前にも見たことがあった。
{殺していいんだけど、多分‘E‘に会う前に‘あいつら‘が出てくるからね}
{途中で邪魔が入るからね。‘あいつら‘が出てこないことは絶対ないから}
そうだ。‘あいつら‘という言葉を出した時だ。一瞬ではあるけど今のような表情をした。いったい誰なんだ。龍たちと何かあったんだろうか・・・
「あれ?少年君だ!今日は早いね」
龍が俺に気付き声をかける。いつもの笑顔で。
「目が覚めて。龍は何してるんだ?そんなところで」
「気持ちの整理。行きたいけど行きたくないんだよ」
「それって‘あいつら‘ってやつらのことか?」
龍の肩が少し跳ねる。聞いたらダメだったか・・・
すると龍はいきなり立ち上がる。
「はい!こんな辛気臭い話は終わり!戦いに支障が出るかもしれないしね」
龍は俺のいるベランダに飛び降りる。
「さぁ行こうか」
「全員いる?」
龍が目で確認する。
「マスターはいなくていいのか?」
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