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「マスターが出るようなことじゃないからね。手を煩わせることもないよ」
王室はたくさんの人がいるのにこれだけの人数で大丈夫なのか?でも相手は一般人だから平気か。
「じゃあ出るよ」
龍の声と同時に俺の目の前の景色は懐かしいものに変わった。今から戦うっていうのに思わず笑みがこぼれる。
「怖いものなしだね翔君は。なんで笑ってるの?」
隣にいたメイが俺の顔を覗き込む。
「いや、懐かしいなと思って」
そう答えるとメイは少し目線をそらした。どうしたんだろう。
「じゃあ二手に分かれて。そこからはもう自由で!」
「「はい!!」」
みんなが声をそろえる。俺と龍と光をのぞいた3人は王室の中央へ行ってしまった。
「僕たちは裏口から行くよ」
急いで龍の後を追った。
ーードォォォォォォォォォォォォォォンーー
「あっちは派手にやってるねぇ?」
龍は楽しそうに言った。
「愛がどこにいるかわかってるのか?」
「だいたいはね!来るよ!!」
王室に入りすぐ長い廊下にあたる。廊下を全速力でかけていると正面から銃を持った警備隊が5人現れた。が、現れた瞬間に龍が流した電気により地面に突っ伏した。
「死んだのか!?」
「まさか!気絶させただけ」
ひたすら走った。何人もの警備隊に出くわしたがその都度龍が能力を使ってくれたおかげでスムーズに進むことができた。
「ここだね」
ついたところは牢獄のようなところではなく普通の部屋だった。ドアを開けるとベットの上に愛がいた。何か点滴のようなものにつながれている。
「あ、愛?」
愛の姿を見るなり龍は駆け出したそして。愛につながれていた薬を引きちぎる。
「一応和に見てもらって!」
「わかりました」
その瞬間光は愛と一緒に消えた。
「りゅ、龍?なんかあったのか?」
「念のためだよ。何かの薬を入れられてたのかもしれないしね。それより。名前は呼ばないで。どこで聞かれてるかもわからないから」
黙ってうなづく。結局俺はいても何もしてないんだな。龍がいて光がいることで愛が助かる。俺は愛を守りたいのに・・・
「行くよ。みんなと合流しなきゃ」
来た道を戻る。そして‘E‘がいるであろう最上階の部屋へ向かう。近づくにつれ爆音や何かが壊れる音、銃撃音が大きくなる。
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