第1章

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龍は片手に光る剣を持っている。光っているのは多分電気だろう。龍は剣を振るう。卓也はよけることをせずに手で受け止める。その瞬間自分で壊した壁の瓦礫の一部を龍の体にさす。龍はとっさに身をかわすが腹がざっくりと切れる。血が大量に流れるのを龍は全く気にしない様子で卓也に攻撃を繰り返す。その時俺は気付いた。卓也が俺に触らず壁に叩きつける方法。‘風‘だ。卓也は風を使っている。建物の中で風が起こるのは考えにくいから裕也の能力だろう。龍をよく見ると体のあちこちにかすり傷から深い傷までたくさんできている。 俺は起き上がろうとするが骨が折れていて体が自由に動かない。だが俺のバリアなら龍を守れる。そしてその直後に龍が攻撃すればなんとかなるんじゃないか。俺はそう思いなんとか立ち上がる。一歩ずつではあるが龍に近づく。龍は俺に気付いたが卓也からの攻撃が続いていて何もできない状態だ。その時卓也は鋭い瓦礫を隠し持っているのに俺は気付いた。叫ぼうとすると体中が悲鳴を上げた。声が出ない。そうしている間に龍の腹には鋭利なものが貫通していた。もうダメだと思った瞬間。 「‘動くな!‘」 龍の叫び声とともに俺の体は動かなくなる。 「お前は‘そこにいろ!‘」 その言葉と同時に卓也は龍の腹に瓦礫を指したまま動かなくなった。 「なっ・・・!?」 龍はその一瞬で卓也の頭を手でつかみ電気を流す。はたから見てもわかるほどの大量の電気を流していた。龍も卓也も電気で光っているが流している龍とは違い卓也は感電しているため体が小刻みに震えている。 そして長い時間その状態が続いた。ほんの数秒だったかもしれないが俺にはとてつもなく長い時間に感じた。 同時に龍と卓也は倒れた。二人とも動かない。俺はその時ようやく体が動けるようになり龍の元へ駆け寄る。 「龍!龍!!」 龍はぐったりとしている。早く。早く運ばないと! 俺はこんな時まで役立たずだ。龍は俺を守ってくれたのに。龍のおかげで強くなれたのに!! 早くみんなの所に!!!!! ?龍 Side? 少年君の声が聞こえる。 遠くで僕の名前呼んでる。 でも、もう疲れちゃったよ。返事をする体力もないや。 なんだろう?眩しい。僕の周りに光が集まっているみたい。おかしいな、電気は使ってないのに。 end 気が付くとみんながいた。みんなびっくりした顔で俺のこと見ている。
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