第1章

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俺たちが傍に駆け寄ると光はうっすらと瞳を開けたが何かを言う前に意識を失ってしまった。そしてまたひときわ大きな音がする。 「要」 「あぁ」 岬さんの言葉に要さんは頷くと走り出した。俺は急いで二人についていく。 「どこに!?」 「外に出る。迎え撃つぞ」 結界の外に出るとそこは静かな場所だった。そして遠くで大きな音がする。その音を聞いた瞬間に走り出す。 「翔君!」 後ろを振り向くとメイがこちらに向かって走ってきている。 「翔君には残っててもらいたかったんだけど…」 メイは気を使ってくれているんだろう。 「大丈夫。こっちで戦えば中に敵が入ることもないだろ。そうしたらあの3人も安全だ」 メイはその答えを聞くと少し微笑みながら頷いた。 「健・・・!!」 派手な爆発が起こっているところには一人の男が立っていた。見知った顔だ。 「あ、おまえ・・・この間はよくもやってくれたな」 健は俺と目が合うなり俺をにらみつける。瞬間、背筋に寒気が奔る。この前戦った時とは違う。あの時は本気を出していなかったのか、それともこの短期間で強くなったのか。 でも、俺だってあの戦いの時よりは強くなったつもりだ。 一斉に飛んできた火球をバリアで跳ね返す。あの時と同じことは通用しないだろうと思い最初から健の攻撃を反射した。 だがそう簡単にはいかなかった。 俺の反射した火球は健の周りに飛んでいた火球にぶつかり同化しさらに大きな火球へと変化した。 「なっ!?」 「俺が同じ手をくらうと思ったか」 大きくなった火球が俺に向かって飛んでくる。俺がバリアを張る前にその火球は赤の光を失い水色のような輝きをまといながら落下した。 後ろからは冷たい空気。振り向くと岬さんが立っている。岬さんの足元一帯は自分の膝から下にかけ氷で凍っていた。どうやら岬さんの能力のようだ。 そして要さんが健に飛び込んだ。力をため込んだ拳が健の回りにあった火球にあたり火球が健のほうに向かって飛んだ。火球は健にあたり健は片膝をつく。だが大した傷になっていない。 「こっちは4人いるのよ。1人で戦おうとしなくていいの」 岬さんは優しく微笑みながら言った。 そうだ。相手は一人。こっちは4人もいるんだ。 かといって俺の能力は攻撃ではない。今俺にあいつを倒すことはできない。だったら・・・ 「お前っ!」
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