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「理不尽な能力開発に耐えて耐えて耐えて・・・分かるか!俺がどんな目にあってどんな気持ちだったのか!わかんねぇよなお前なんかには・・・だがな、そのおかげで俺は強くなったんだ、お前を殺すために力を手に入れた。なのになんだこれはナイフで一刺しで終わっちまうなんてよぉ…」
卓也は自分の手に握られている血にまみれたナイフを見つめる。
「お前は弱いなぁ・・・俺たち、双子なのになぁ・・・俺はお前と血がつながっていると思うと恥ずかしいよ」
卓也の声がいっそう冷たくなる。卓也がこんどこそ裕也にとどめを刺そうと手からナイフを放った。
「「!?」」
2人の驚きの声。卓也が放ったナイフが裕也に刺さらず地面に落ちたからだろう。ナイフが自分の横に来た瞬間電気をまとった自らの手で叩き落とした。そのくらいならたやすくできる。
「へぇ」
卓也はにらみつけるような視線を向ける。その視線を受け卓也を睨む。
「いいねぇその目。俺とおんなじ。人を殺したくてうずうずしてる目だ」
その言葉を聞くと自分の中の何かが壊れたかのように大量の電撃が一直線に卓也に向かっていく。
「あぶね」
卓也はすかさずそれをよけ反撃に転じる。懐から新たにナイフをだし投げる。それをはじいた瞬間体に衝撃が走り廊下の壁まで吹っ飛ばされた。壁に叩きつけられた所を狙いまたナイフを投げる。それを直前で電撃を流し撃ち落とす。体はあちこち痛むがまだ動けないほどではない。地面を蹴り立ち上がる。同時に卓也も地面を蹴った。
激痛が走る。そして地面に鮮血がほとばしる。
「やるじゃん」
「そっちこそな」
消え入りそうな小声でお互い言葉を発する。そしてすぐさま距離を取る。自分の左手を見ると服が裂け肩から肘にかけてぱっくりとナイフで斬られている。大量の血が流れ落ち動かそうとすると激痛が走る。左手は使い物にならなさそうだ。だがそれはあっちも同じこと。あの時立ち上がり地面を蹴った瞬間電撃で撃ち落としたナイフを取り卓也の心臓を狙った。卓也はそちらに気を取られ視線がナイフに集中した。だから攻撃手段を変更した。ナイフは寸前で捨て開いていた左手に電気を込め心臓を狙う。だが卓也はそれに気付き自分が持っていたナイフで僕の左手を狙った。そのせいで心臓からだいぶそれたが卓也の右目に電気が直撃した。卓也の右目は焦げたかのように潰れている。
「そろそろ終わりにしようぜ」
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