第1章

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自然と手が出てしまい何を言っていいかわからなくなる。そんな僕を知ってかはわからないがマスターは何を言わずただじっと僕からの言葉を待っていてくれた。 「は、話・・・聞いてください・・・」 我ながら今にも泣きそうな声だったと思う。実際マスターに聞こえたのかも分からなかったがマスターは黙って僕の隣に腰を下ろした。 「生まれた時からおかしかったらしいんです。僕に触ると静電気がはいるとか最初はささいなことでした。だけど僕がしゃべるようになってから父親が僕を気味悪がったんだ。幼いながらに大人のような話し方に考え方。触れると走った静電気をもはや静電気とは言い難い強さになってたから。それで母と離婚。お母さんは気味悪がったりする素振りがなかったから安心してた。お母さんの手が大好きだった。僕がお母さんの元に駆け寄るといいつも笑顔で僕の頭をなでてくれたから。でもっ」 自分の拳に力が入った。それに気付いたのかマスターは僕の小さな拳を大きな掌で包み込む。その手に少し安心する。 「母は僕に見えないところで王室のやつらと連絡を取って僕を引き取ってもらおうとしてたんだ!それに気づいたけど疑いたくなかったし、何より信じたかったからいつもどうりの生活してた。でもしばらくたってから二人で出かけた時やけに遠くまで歩くなって思ったんだ。そしたらいきなり泣き出したんだ。泣きながら「ごめんね」って。悪い予感はしてたんだ。周りから王室のやつらが出てくるまでは確信はなかったから。でも王室のやつらが無理やり僕を連れてこうとして腕を引っ張ったんだ。声には出さなかったけど‘嫌だ‘って思った。‘行きたくない‘って。そしたら目の前でその男が倒れたんだ。変なにおいがした。男をよく見ると手とか真っ黒になってたし、体のところどころから煙が出てた。それを見た王室のやつらは一斉に僕に向かってきた。怖くなって思い切り目をつぶったんだ。次に目を開けたときは王室のやつらみんな倒れてた。??????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????」 「私が来たのはその時か?」 僕は黙って首を横に振った。
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