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地下帝国に戻ると裕也はすぐに救護班に担がれ救護室に連れていかれた。僕は戻るとすぐに大人二人が戦っていた竹林の広場に向かった。‘強くなろう‘そう決心してここに来た。使い方なんてわからない。教えてもらうより自分で感覚をつかむ。僕は時間を忘れひたすら自分を追い込んだ。
数日たっても裕也の意識は戻らなかった。
「龍、裕也の意識が戻ったぞ」
その知らせを聞いたのは10日後だった。僕は急いで救護室に向かった。扉を開けると裕也は笑顔でこっちを見ていた。
「やぁ!今から行こうと思ってたんんだ。そっちから来てくれるなんて嬉しいなぁ?」
僕は拍子抜けした。
「元気、そうじゃん・・・」
「元気だよぉ?」
笑顔で答える。まるでケガなんてしていなかったかのように。
「なんで、かばったんだよ」
「?理由なんてないよ。龍君こそどうして僕を助けに来たの?」
質問をあっさり答えられ同じような質問を問われ口ごもる。
「別に・・・」
「ね?理由なんてないでしょ」
全てわかったような顔ですべての質問に淡々と答える。
「でもさ、よく考えたら理由はあるのかもね。僕が勝手に‘上‘に行かなかったら君が撃たれそうになることもなかったんだしだからかばったのかもね?あの一瞬でそんなこと考えたのかっていうと考えてないけど」
笑顔でそういった後少し暗い顔になった。
「あそこ、僕の家でね。思い出がいっぱいあるんだ。王室に僕の兄が囚われていてね。だから、強くなって助けるんだ」
裕也の瞳の中には強い決心が見えた。
あの日から僕と裕也は強くなるためにマスターに付き合ってもらいながら訓練をした。
「裕也最近体術ばっかだな、自分の能力は?」
「僕の能力はもう覚醒しちゃってるからね?あんまり能力も高くないから体術高めとかなきゃさ」
「言霊だっけ?でも訓練すれば対象者が1人から増えるかも」
「・・・いいんだ。この能力はあんまり使わないほうがいいかっらね」
裕也が言ってることはよく分からなかった。けど僕も自分の能力はすきじゃないから裕也にもなにかあるのかもと深く追及するのはやめた。
数年後
「龍もようやく能力を使いこなせるようになったみたいだな。体術も腕を上げた」
「あ、ありがとうございますっ」
力尽きて地面に座り込む。能力使いこなせるようになるまで何年かかってるんだ全く、バカみたいだ。
「龍お疲れ」
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