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「冴っち、朝ッスよ、起きるッス!!」
私は、ほぼ毎日この声、否、この声の持ち主であり、只今別居中な筈の私の弟である黄瀬涼太に叩き起こされる。
「ん~…断る。」
「何でッスか!?」
「お前の顔が綺麗すぎて眩しいから、私が起きれないのはお前が悪い。」
「えぇ!?理不尽ッスよ!!」
「んーったく、しょーがないな~、今日は転校初日だし起きてあげるよ。」
ベッドからのそりと起き上がればサイドテーブルに朝食が綺麗にセットされているのが目に入った。
「…朝食?珍しいね涼太が準備してくれるなんて」
「久しぶりに冴っちと一緒に寝てテンション上がっちゃったんスよ、だからノリで!」
「へーそうなんだー」
と棒読みで感想を述べ思いの外美味しかった朝食を頬張り、物の5分で食べ終わって、涼太が居るのを気にせずに服を脱いでいく。
「涼太~紐結んで」とコルセットを手で押さえつつ涼太に背中を向ければ
「もう少し恥じらいを持ってほしいッスね」と苦笑しながらも紐を力強く引く。
それにしてもやっぱり、コルセットは気持ちが悪い、故意に締め付けている時点で気分が良い筈が無いのだが。
まぁそもそも私が男装何てことをしなければ良い話だし、そうも行かないのも現状な訳で…
「終わったッスよ。」
『ん、ありがと。』
一人で悶々としている内に縛り終わっていたようだ。
私、いや僕は着慣れない真新しい制服に腕を通した。
(てゆーか、何でいつも此所に居るの?)
(ナイショッス)
(お巡りさーん、不法侵入の現行犯でーす、捕まえて~)(冗談ッスよ!?)
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