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「まーだ部活行かないつもりなの?」
幼なじみで背の高い瞬(しゅん)は俺を覗きこむようにして微妙な表情で問う
「……行かない」
そんな短い会話を交わして俺と瞬は黙々と下校していた。
「……今日そっちはオフなの?部活」
なんとなく俺は聞いてみた。
「そうだよー。蓮と帰るの久しぶりだねー」
その表情は本当に嬉しそうだった。
瞬は陸上部で高跳びを専門にやってるらしい。その活躍は度々耳にしていた。
「蓮。もう入学してそろそろ一年経つんだけど、ホントに水泳やめる気なの?中学の時にした約束覚えてる?俺さ、蓮のバタフライまた見た……」
「うるさい」
そんな頑張ってる瞬に比べて俺は、飛ぶどころか前に進むことすらできないでいた。
約束の内容も忘れてしまっていた。
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